「てめえヤりやがったな!」
白五枚を台に叩きつけて、男が立ち上がった。
「あら。だって、隙だらけだったんですもの」
ジョーカー二枚をひらひらさせて、黒髪の女が答える。
「まあまあ御二方とも、落ち着きいな……おっと」
袖口から磁石やマイコンを落としながら、茶髪の女が宥めた。
「まあプロとして、恥ずかしいのはわかりますけどね」
側のベッドで、全裸の男がコンマ一秒の速さでコンドームを着脱しつつ、女性の股間にスポイトを差し込む。
「それより、こちらの方々は?」
カメラを構えつつ、男が指さす。そこには統一感のない男女が一列にずらり。
一人目の男が軽く頭を下げる。帽子代わりに、頭髪を外してみせた。隣の女は巨乳を持ち上げ、まだ新しい傷跡を晒す。次の男は手抜き工法の設計図、次の女は二十枚の結婚届と、次々に正体を明かしていく。
「あんたは?」
まったく何の変哲もなさそうな最後の老人に、全員が尋ねた。
「わたくしは、いちばんの老舗でございますよ」
老人が頭に木の葉を乗せた。
- 2011/10/25(火) 09:52:28|
- 茶林小一
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