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シンクロ

 ピートと名付けられたすべての猫が夏への扉を探しているわけではないだろうけれども、僕のピートは確かに向こう側の世界を覗き込むのが好きであるようだった。
 例えばある扉を開くと、その先には緑色をした砂で一面を覆われた丘が広がっており、その中心にダイヤル式の四脚テレビが鎮座していたりする。映っているのがルイツだったり、ジョセフソン姉妹だったり、タチバナだったりとそのたび変わってはいるが、テレビ自体はいつだってその景色の中にあるのだった。そしてひとたび砂嵐が来れば、画面もまたそれに同調するのだった。
 彼は隙間を潜り抜け、砂嵐が止むのを待って、向こう側の季節が巡り、新しい世界が眼前に開かれるのを座り込んで待つ。時折長い鳴き声を上げる。そしてもう一度隙間を潜り、まだ次の季節が訪れていないのを確認するのだ。
 彼だけではない。実を言うと僕も待っている。次の季節が、新しい季節が来ることを、心のどこかで期待している。
 僕たちはいつだって、次の季節を探している。夏でなくてもいい。見知らぬ季節を求めて、彷徨っている。
 いつの時代でも。どんな場所でも。
 きっと、誰だって。

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  1. 2009/08/04(火) 18:40:32|
  2. 茶林小一
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
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コメント

ジャックから入ってやっとはいれた

悪友からの伝言ですが、いろんな面でごめん。
と言えばわかるか。砂嵐でなくて竜巻だったら評価が良かったとおもう。
  1. 2009/08/07(金) 00:36:00 |
  2. URL |
  3. 山仙 #dfdn2D6U
  4. [ 編集]

「夏への扉」大好きです。
50年代アメリカSFっていうだけで、もう胸がきゅんきゅん鳴ります。
そうか、緑色の砂ってところで悟るべきだった…。
  1. 2009/08/08(土) 20:00:47 |
  2. URL |
  3. butapenn #ulngQ23M
  4. [ 編集]

なんでだろう

>山仙さん
 だいぶん軽くなったと思ったんですがね。まだ駄目ですか。
 読者の理解力があれくらいなのはいつものことなので、あれはあれで。砂嵐なのにも意味があったのですよ。

>butapennさん
 前回のがちちのひネタだったのに気付いてくださったのはbutapennさんだけでしたが、ちょっと嬉しかったですよ。
 『夏への扉』、新訳版が発売されましたね。どういう風に変わっているのか楽しみです。
 本作はもちろん福島版をトレースしています。そういったのも含めて私なりのシンクロ。
 一手間かければ見えてくるシンクロを散りばめたつもりです。
  1. 2009/08/09(日) 21:32:10 |
  2. URL |
  3. 茶林小一 #-
  4. [ 編集]

明るい未来(って日立か松下か、、、)

いや、あの場面は砂嵐じゃないといけない事は、元ネタを知らなくても分かったのだけど、まあ、元ネタを知らない僕にはちょっと厳しいかな。
向うのテレビが映しているのが、こちらの時代の最先端(ジョセフソン祖師とか)ってのは分かるんですけどねえ。
  1. 2009/08/10(月) 03:00:58 |
  2. URL |
  3. おちばたあ #iwBd2XEo
  4. [ 編集]

解説?

 ジョセフソン姉妹などはオリンピックでシンクロが正式種目になって以降の有名選手です。あとに行くほど年代が新しくなっています。
 ……普段は自作解説とかしないんだけど、何だか解説みたいになってしまった。
  1. 2009/08/10(月) 17:25:10 |
  2. URL |
  3. 茶林小一 #LkZag.iM
  4. [ 編集]

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 バカSFからバカSMまでをモットーに、火星人や大和撫子などの絶滅危惧種を保護するため世界緑化運動を推進しています。応援よろしくお願いします。

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