緑乃帝國 緑のオンライン文芸誌

世界の緑化を推進するウェブログ形態のオンライン文芸誌

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

洛中洛外画狂伝: 狩野永徳

洛中洛外画狂伝: 狩野永徳洛中洛外画狂伝: 狩野永徳
(2013/03/12)
谷津 矢車

商品詳細を見る


 室町末期から戦国時代にかけて活躍した画家、狩野源四郎(永徳)の半生を描いた歴史小説です。
 タイトルにもなっている、狩野永徳の代表作でもある洛中洛外図。永徳こと源四郎がいかにしてそれを書くに至ったかを描いた物語です。
 この小説に描かれている主人公、源四郎はブルドーザーのような男だ。己の才能と絵を描くことの思いだけを頼りに、家、家業、家族、様々な他者の人生を押し潰し、すり潰しながら、先にあるただ一筋の光明を求めて歩みを進める。それは孤独の歩みであり、彼の歩んだあとに残るのはただ荒野ばかりだ。だがそんな生き様はまた、多くの者を惹きつけもする。
 理解者の一人が、源四郎の現実的な後ろ盾である義輝だ。源四郎は義輝の思想に触れ、また彼が細い希望の道を追い求めるのを目にして、己もその道を歩むことを決意するのだ。この小説は、この孤独なふたりの男の、繋がりの物語でもある。
 もしかすると、本作を最も楽しめるのは、歴史にさほど詳しくない方かもしれない。
 これは歴史小説である。物語の大きな道筋は、決まっている。物語の先がどうなっているかは、すべて、決まっているのだ。
 だから、歴史の先を知る我々は、源四郎と義輝の繋がりが大きくなるたび、先の未来を思い、寂しい気持ちを抱くことになる。だが、知らない方ならば、このふたりの触れ合いを、その最後の瞬間まで存分に楽しむことができるに違いない。
 本作はまた、創り手の物語でもある。クリエイティブなことに携わる方ならば、本作からいくつもの心に響く言葉を受け取ることができるだろう。創ることとは改めることだ。そのような思いを、改めて抱かせてくれる、これはそういう小説である。
 面白かった。

スポンサーサイト
  1. 2013/04/02(火) 18:20:27|
  2. 茶林小一
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<ペンギンフェスタを読もう2012 その1 | ホーム | ゾンビ祭り2011書評>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://chabayashi.blog71.fc2.com/tb.php/118-47ab6c10
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

編集人

Author:茶林小一
 バカSFからバカSMまでをモットーに、火星人や大和撫子などの絶滅危惧種を保護するため世界緑化運動を推進しています。応援よろしくお願いします。

最近の作品

作者一覧

最近のコメント

最近のトラックバック

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する