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オンライン文化祭2011―夜―書評 その1

ぎんいろ / ナノハさん
 見つければ死者に逢えるという噂のある銀杏の葉を探す少女と少年の青春ストーリー。
 全体に物語の幹を隠しながら、情報を小出しにしつつ、二人が何を探しているのか、探しているのがどういうものか、逢いたいのは誰か、逢ってどうしたいのか、少女の少年への思い、少年の少女への思い、様々なことを語っていきます。この語り方がとても繊細で精密で、読み進むうちに二人を応援したい気分になります。
 問題はラスト。ここまで抑えに抑えて、間接的な描写で語っていたことを、一気に爆発させるというか、直接的に提示しています。この手法が正しかったのか間違っているのかはとても迷うところで、たぶんどちらが正しいとも一概にはいえないなあ、と思います。個人的にはこのまましっとりと抑えた筆致でいくものと予想していたので、かなり驚きました。「ここで言っちゃうのかよ!」的な。
 ラストまで読んで、少女が呟くおまじないの意味に気付いたとき、きっと深い感動に胸を打たれると思う。ナノハさんのウェブログのコメントによると、もしかしたら気付いていない方もいるかもしれないので、もしもこれを読んで思い当たった方は、当作品をもう一度読み返されることをお薦めします。

ヒイラギと夜の君 / モギイさん
 童話風、ファンタジーとでもいうのでしょうか。醜い姿に変わった貴種と女という美女と野獣パターンのお話。
 全体的に、「パターン」を見事に踏襲しています。それだけだったらわざわざコメントする必要もないのだけれども、この作品はパターンを丁寧に描く、ということがどういうことかを教えてくる。王道に平坦な道なし、ということを教えてくれる。
 意図的にパターンからややずらしてあるのが、主人公の少女の造型。最初の段階ではいわゆる「いい人」ではない、生きることにタフな女性として描かれていて、その意外性が推進力、読者に読み進ませる力を発揮しているように思いました。そうして引っ張りつつ、描写や気持ちの移り変わりを丁寧に、手を抜くことなく書ききっていく。ここに。ここにこそ私は注目したいと思っている。もしも。もしもこの部分で手を抜いていたなら、それは私に伝わっていただろう。そしておそらく、私は読むのをやめていたと思う。
 話自体は童話のパターンに添って進んでいくので、後半は主人公の女性も結構いいやつげふんげふんな感じに落ち着いてしまうのでありますが、本当に見事に書ききられていました。お薦め。

カセイジンとしし座流星群 / 楠沢朱泉さん
 楠沢さんといえばカセイジン、カセイジンといえば楠沢さんとか書いてもまあ一部界隈でしか通用しないのではありますが、そんな楠沢さんの久々のカセイジン話です。
 今回も「読者を楽しませてやるぜ!」というエンタメ力たっぷりの作品でした。そして楠沢さんでこの長さの作品って珍しいんじゃなかろうか。
 このカセイジン、タコ型ではないわ地球を侵略する気はないわでまあ私の描く火星人とは似ても似つかないのですが、このカセイジンと主人公のやり取りがコミカルかつ小ネタに溢れていて笑わせてくれます。
 カセイジンと共にしし座流星群を見に行く主人公。そして知る、流星群の真実の姿。
 素晴らしいバカSFでした。面白かった!

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  1. 2013/03/26(火) 13:08:10|
  2. 緑の読書録
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茶林小一

Author:茶林小一
 バカSFからバカSMまでをモットーに、火星人や大和撫子などの絶滅危惧種を保護するため世界緑化運動を推進しています。応援よろしくお願いします。

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