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緑乃帝國 緑のオンライン文芸誌

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ぼくたちのちっぱい

 古い言い伝えにある双子山。その頂をぼくらは目指しているのだけれど、いまだに山の在り処がわからない。

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  1. 2012/02/28(火) 22:03:45|
  2. 茶林小一
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2012バレンタインデーショートコント

(1)
「俺、チョコもらったぜ」
 そう言う友人の顔に拳を叩き込む。
「加勢するぜ」
 隣の席の男がそれに倣う。その隣。またまた隣。
 拳は連なり、列を成し、どこまでも続く。
「宇宙まで、ぶっ飛びやがれえええぇぇぇぇぇ!」

(2)
「好きなの、付き合ってください」
 大マゼランより飛ばされた塊は球体に突き刺さり、北半球を爆散させた。

(3)
「愛してる」
 ホッケーマスクをつけた少女がハニーブラウンの鉈を手に俺を追い回す。俺は逃げる。必死で逃げる。期限は二十四時間。溶けたチョコが跡を残し、筋を引く。アレはチョコか? 本当に?
 答えは明日になればわかるだろう。

(4)
 チョコレートでできたふんどしをもらった俺は、彼女のハートと同じく春が来て柔らかくなるのを正座して待っている。

(5)
「今年も来たよ」
 うまい棒を手に集う眼下の軍勢。ブラウンとホワイトの銃を構えた女たちは城壁の上よりそれを見やる。彼らは気付いているのか。リア充と呼ばれる自分たちの数が、年々減っていることに。
「あと何年続くかね」
「さあな」
 鯨波が上がる。銃を構える。
「さあ始めようか」

(6)
 近頃は自分からチョコ欲しいって言うのがトレンディだそうだから「君の胸の二つのショコラが欲しい」って言ってみたけど次の日から俺の席は掃除用具入れの前に隔離されている。

(7)
「お前何個もらった?」
「ええと……たぶん三百億くらい?」
 もちろん分子レベルでの話です。

(8)
「チョコレートよりお茶漬けやろ!」
 髪の毛チリチリの大人が女子たちを追い回している。

(9)
 俺の前に天使が降臨した。
「あげるわ」
 熱されたチョコレートがシャワーのように俺に降り注ぎ、焼き、穿ち、焦がす。俺は両手を広げ受ける。これは愛だ。きっとそうなんだ。
 溶けゆきながら俺は叫ぶ。求めよ。されば与えられん。

(10)
「お返しは車がいいな♪」
 悪魔の笑みとともに彼女が包みを差し出す。俺は何年振りかに、ガレージの奥へ脚を踏み入れる。三輪のミゼット。フェンダーのブルーバード。白だった車体がブラウンに変色したスバル360。彼女たちに向けて、自慢げに手を伸ばす。
「好きなのを選びたまえ」

(11)
 愛は形になるという。この日ばかりは、形にして渡していいという。あたしは形にしようと、全身全霊を込めて練り込む。固まれ。留まれ。形になれ。
「伝えられるだけで、それでいいの」
 ざけんな。くたばれ。見えないものは、何もいらない。
 かたまれ。とどまれ。
 かたちになれ。

(12)
 男から花を贈られた。別の男からも。そしてまた別の男からも。あたしの両手はすでにいっぱいで、もう受け取る術がない。
 あたしの背から腕が生える。二本、四本、八本、十六本。
 オーケィ、いくらでも持ってきな。全部まとめて愛してやるさ。

(13)
 祭りの灯は消えゆく。多くの想いが差し出され、多くの想いが受け取られたり、そうでなかったりする。
 投げかける準備はできていたか? 受け止める準備はできていたか?
 最後の灯に、今傘が被せられようとしている。


  1. 2012/02/15(水) 01:51:17|
  2. 茶林小一
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編集人

茶林小一

Author:茶林小一
 バカSFからバカSMまでをモットーに、火星人や大和撫子などの絶滅危惧種を保護するため世界緑化運動を推進しています。応援よろしくお願いします。

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